女装弓士

随分といい格好だな
くつくつとわらう声に泣きたくなる。

男のくせにひらひらふわふわなメイド服を。それだけでも酷いというのに自分でスカートを持ち上げさせられ、下には何もつけずはけず。未だ日の光が入る部屋の中、みっともなく勃ち上がった性器を目の前の男に見せつけているのは。


はじめはただのいつもとおなじ、売り言葉に買い言葉、よくあるばかな言い争いだったのに。うっかり目の前の所謂コスプレ用のそれを着ることに頷いていて。どうしてそうなったのかと頭を抱えた。

それだけならまだ耐えようもあった……かもしれないが、明らかに女物の下着をこちらに履き替えるかそれが嫌なら脱げ、と言われて。いくらなんでもそんなのは嫌だと、そんなことをするくらいならいらねぇよ!と口に出してしまったのが本当に運の尽き。
喜々として穿いていたものをはぎ取られぺいっと部屋の隅に放り投げられた。返せ、と取りに行こうとしたのに捕まえられて元の位置に戻され。
俺は立っていてヤツは座ってる。その高低差が、その、ナカが見えそうでいやだと、そもそも脱がされたのだってそのせいじゃなかったか。とにかくこんな状態で覗かれたら敵わないとスカートの裾を押さえていた、のだが。

にっこりと、普段滅多に見ることのない笑顔に見とれ――発せられた言葉の意味を認識して頭の中が真っ白になった。



触れられているのかと錯覚しそうなほどに次第、ゆっくりと質量を増していく視線に、カラダの奥に覚えのある熱が溜まっていくものだから。
「や、めろアーチャー……っ」
「どうした?なにもしていないだろう」
まだ、と後ろにつけられたそれが恐ろしく。
「だが、――期待には答えねばなるまい」
普段見る事のないほどに楽しそうに笑う男の目は、逃がす気はないと告げていた。

2013/02/11